連載「重量木骨で家を建てる」

本当の家づくりに必要な心得「重量木骨(SE構法)で家を建てる」

なぜ、私たち「つくり手の会」会員は、家づくりの工法に「重量木骨(SE構法)」を選んだのか。
「重量木骨(SE構法)」をおすすめする理由を連載で綴っていきます。

第二章 「綱渡りの島 日本 ~揺れても壊れない建物が必要~」   2007.11.15(FRI)

 もしも関東、それも東京直下の地震が起これば、仮設住宅が立てられるスペースは東京にはありません。データで検証してはいませんが、公園ではとても足りず、東京の場合どこかに疎開するしかないのではないでしょうか。神戸では空き地があって、また新潟の中越地震の時も仮設住宅のスペースは結構ありました。しかし、首都圏で地震が起こったら仮設住宅を立てるスペースはないでしょう。

 阪神淡路大震災の例でいうと、実際にはダブルローンを抱えている人が多いのです。当社の専務の実家も神戸で被災しました。神戸で倒壊した建物の多くは、皆さん周知の通り木造住宅で一階が店鋪になっていて壁が少なく間口があいていて、二階が住居になっているタイプでしたが、彼の実家もまさにそうで、二階が吹っ飛んでしまったのです。

 隣の駐車場にたまたまワゴン車が四台くらい止まっていて、その上に二階部分だけ、家の中の家具も全く壊れず、ケガもなくスコーンと乗ったそうです。近所の人が「○○さん大丈夫ですか?」と言ってのぞいてくれて、「ああこの人はわざわざはしごをかけて心配してくれて」と思ったら、実は二階が駐車場に偶然停まっていたワゴン車の上に乗っていたというのです。横を見たら建物がないので「お隣さん壊れちゃって…」と思ったら、それが自分の家だったという話を聞きました。

 余談ですが、そのように震災を乗り切った人たちは、地方自治体や町内会などの結束力がすごく高く、尼崎の電車事故で懸命に奉仕した地元の住民や企業の救助活動では、震災の教訓が生きたということのようです。

 命が助かった次は生活の拠点が必要です。そのためには少なくとも、地震で揺れても倒壊しない建物でなければならなくなります。その中で、火災に巻き込まれず建物が残ったとすれば、自分の人生も組み建て直しは容易にできるのではないでしょうか。

 仮設住宅に入ったとしても、壊れてしまった家を再建するために、もう一回ローンを組み直さなければいけないという事例が実際に出ています。壊れた建物のローンを払い続けながら、新しいローンも抱えるのは普通の人にとって並み大抵の苦しさではありません。そんなことにならないためにも、しっかりした建物を造っていかなければいけないのが前提になると思います。

その10へつづく)  by: Shimizu

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「本当の家づくり」

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