連載「重量木骨で家を建てる」

本当の家づくりに必要な心得「重量木骨(SE構法)で家を建てる」

なぜ、私たち「つくり手の会」会員は、家づくりの工法に「重量木骨(SE構法)」を選んだのか。
「重量木骨(SE構法)」をおすすめする理由を連載で綴っていきます。

第二章 「綱渡りの島 日本 ~大切なはずの優先順位~」   2007.8.8(WED)

 ユーザーさんは、地震の危険性や耐震の必要性を解説している記事を、新聞や雑誌でしょっちゅう目にしているはずです。見ているときはおそらく、

 「大変だ。うちもやらなくてはいけない!」

 と思うのですが、いざやろうと思う時に人に言われたりして、優先順位が変わってしまうようです。

 ですから、安全性や耐震性能について納得して決定したら、それを実現するために誰かが背中を押してあげないと、最初に決めたことが覆ってしまうことが家作りには出てきます。建築業界の人間として、そこが非常に難しいところだと感じます。

 具体的には、「地震に強い2×4でやろうと思ったのが、全然違う工法になった」など、まず自分たちが最初にやろうとしていた工法が変わってしまうことがあります。けなし合いのセールストークの中で消費者が自分の考えを再構築しなければいけないからです。

 そうすると、「なんだ、いろんなところで聞いたけれど、結局何をやってもそう大差はないじゃないか」とユーザーに思われてしまいます。「それなら安いこっちにしよう」「こっちの営業マンが紳士だった」などという、そんな理由で結構変わってしまうものなのです。

 ユーザーさんを見ていると、家作りで最も重要な安全性や耐震性能が、結局は契約の時に確認だけして終わるということもあるようです。事実よりも「本当に安全な工法なんですよね、安全第一でやるんですよね。」という申し合わせや言葉の確認だけで安心しきってしまうところが見受けられるのです。自分が望んでいることを口にして、それに対して「大丈夫ですよ」と言われればそれだけで安心してしまうような心理があるのだと思います。

 ユーザーの皆さんは本当のところ、「自分は家作りを最初から勉強しよう」と思っていらっしゃるものです。けれど、住宅展示場を回って勉強しようと思っていても、全然勉強させられないでいる自分に気づかずに契約して、家作りに入ってしまう人がとても多いのです。また、どの業者も別々のことを言うので何を信じていいかわからなくなっているのではないでしょうか。

 建築のことをある程度体系的に、一般の生活者にも落としこんで説明するプロセスがあればいいのですが、それはほとんどないのです。商品を買うか買わないかという話に狭められた中で、ユーザーは家作りに入らざるを得ません。

 私たちは住宅建築のプロなので、いろいろな工法のメリット、デメリットがわかります。しかし一般の人がいろいろ渡り歩くと、みんなよそのデメリットしか言わないために、何が本当なのかわからなくなってしまう。営業マンは自分のところが不利になるようなことは一切言わないものです。このような傾向は業界として大きな問題です。

 また、衣食住と言いますが、「衣」「食」については小中学校の家庭科の時間で結構勉強してきているものの、こと「住」についてはほとんど勉強せずに三十代、四十代で〝住宅建築適齢期〟を迎えてしまうことも、相当問題だと思います。

その8へつづく)  by: Shimizu

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「本当の家づくり」

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