連載「重量木骨で家を建てる」

本当の家づくりに必要な心得「重量木骨(SE構法)で家を建てる」

なぜ、私たち「つくり手の会」会員は、家づくりの工法に「重量木骨(SE構法)」を選んだのか。
「重量木骨(SE構法)」をおすすめする理由を連載で綴っていきます。

第一章 「言葉だけで伝えきれないこと その4」   2007.4.26(THU)

 実は重量木骨(SE構法)も阪神・淡路大震災を契機に木造住宅復興を誓って生まれた工法でした。私自身の小さな誓いと思いを実現できる工法が、同様の思いを抱く技術者によって開発されたのです。

 微力ではありますが、重量木骨住宅の家づくりを通じて、様々な建て主様と出会うことができました。しかし一方では、建て主様に重量木骨の可能性と安全性を上手く伝えられず、悔しい思いをしたことも数多くありました。

 旧態依然とした住宅業界の仕組みが原因で、事実が捻じ曲げられ、性能を顧みない短絡的な価格競争や、何よりも住宅流通の仕組みが原因で、本当の事が伝わらないままに住宅が必然的にできてしまうことも思い知らされました。

 震災10年という節目を迎えた年に神戸を訪れることは、初心を忘れることなく、微力ながらも家づくりに携わっている私にとっては、とても意味のあることだったのです。

 「人と防災未来センター」の老年のボランティアが最後に教えてくれたことがあります。

 「今こうしている時に、日本のどこかで巨大地震が発生しても不思議ではありません。私たちが10年前に被災した経験から得たことは、自然災害に遭遇することは、日本のどこに住んでいても仕方ないことで、自然の摂理だと割切って受留めることが大切だということです。人間の方が如何にして上手く自然災害と付き合っていくかを考えるべきだと思いませんか。」

 実際に被災した体験を語ってくれた老年ボランティアの言葉に、日々忙殺されながら、肝心な事を先送りしていることに、いたたまれない気持ちになってしまいました。

 テレビ画面の片隅に突発的にスクロールされる地震速報を、対岸の火事程度に読み流すだけで、非常事態への準備さえおぼつかない日常がそこにあります。

 本来、私達が受け入れなければならない宿命を凝縮させた言葉に、改めてつくり手のとしての使命を痛感しました。

その5へつづく)  by: Shimizu

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「本当の家づくり」

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