連載「重量木骨で家を建てる」

本当の家づくりに必要な心得「重量木骨(SE構法)で家を建てる」

なぜ、私たち「つくり手の会」会員は、家づくりの工法に「重量木骨(SE構法)」を選んだのか。
「重量木骨(SE構法)」をおすすめする理由を連載で綴っていきます。

第一章 「言葉だけで伝えきれないこと その1」   2007.3.8(THU)

 神戸市方面へ出張した折、どうしても訪ねたい場所がありました。11年前の阪神・淡路大震災の教訓を風化させないために建設された「人と防災未来センター」という防災施設です。ガラスカーテンウォールの建物内には、震災時の状況を再現した1.17シアター、また震災直後の街並みを再現したジオラマ模型、さらには大震災ホール、震災を語り継ぐコーナーなど計13から構成される展示がされており、時間が一瞬止まったあの時の生々しい現実と、震災直後からの復興を実現した人々の生きる力を伝えてくれます。

 現在の神戸は見事なまでに再生しています。JR神戸線で大阪駅から三宮駅までの区間を移動しただけでもその復興の様子を感じることが容易です。車窓から飛び込んでくる景色はまるで新興住宅地のような新しいマンションや住宅などの建物が建ち並び、かつて何事もなかったかのような街並みが拡がっています。しかし、わずか11年足らずで幾多の困難を克服し、復興を実現した人々の懸命さや精神力、さらにダブルローンを抱えながら必死に返済する人々の苦労を見かけの復興や伝えられる言葉だけで測り知ることはできません。

 阪神・淡路大震災の惨劇を後世に語り継ぐために建設されたこの施設が、防災センターとして役割に留まらず、「人と防災未来センター」という名称と由来の通り、自然災害と人、そして未来と人とのかかわり合いをテーマに掲げていることの意味を思い知らされました。

 震災を語り継ぐコーナーでは実際に被災した老年のボランティアの方々が笑顔で話しかけてくれました。

「どこから来たの?」

「はい、東京からです。」

「東京かぁ、非常用の水や食料は常備しているの?飲料水や非常食は震災後3日経たないと配給されないからね。」

「そうですよね。非常食や飲料水を常備しようと思っても、どんどん先送りにしてしまって・・・。」

「ひとり一日大きなペットボトル1本。3日分必要だから、3本かける人数分は常備して置いた方が良いですよ。それから、ラップ用フィルムもあったら便利かな。水道の供給が止まると洗うという作業ができないからね。」

 まさに禍福はあざなえる縄の如しという教訓を教えられたのでした。

その2へつづく)  by: Shimizu

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「本当の家づくり」

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